技術書典7を終えて - はじめての技術同人誌執筆ふりかえり
Kuberenetes のサブプロジェクト Cluster APIに関する技術同人誌を執筆し、技術書典7で頒布しました!
執筆からイベントでの頒布まで、多くの学びや気付きがあったと思います。 忘れないうちに振り返り記事を書くことにしました。
技術検証と原稿執筆
サークルの事前打ち合わせで、原稿は一旦 Markdown で書き、その後 LaTeX に変換して組版するということにしていました。
Cluster API の動作環境に AWS を選択しました。 以前 OpenStack で動かしたことがあったのですが、今回は入門本を書くということで、アカウントさえ用意すればすぐに始められる AWS にしました。
そのため作業は Cluster API Provider AWS の動作検証からはじめました。
Keep
- 執筆の早い段階で Re:VIEW を導入した
- md2review を使うことで Re:VIEW をイチから習得するハードルが下がった
- 組版後の状態を早めに把握できたことで、文字のはみ出しや図表の改ページ時のズレなどが防げた
- 予定していたスケジュール内で一旦最終章まで書き終えることができた
- 最終締切じゃない仮締切
- 「とりあえず出して」と言われたら出せる状態にできた
- 何度か推敲を重ね typo 修正や表現の改善に時間をかけることができた
- 同じ会社の方にも有益なレビューをたくさんいただきました。ありがとうございました
- もくもく執筆会に参加した
- 進捗出ました!
Problem
- 図の作成に時間がかかりすぎた
- 過集中気味。1px のズレも許せずにこだわりすぎてしまった
- しかも使わなかった図もある
- 入稿用 PDF のプリフライトチェックにひっかかった
- Acrobat でのチェックで PDF/X-1a に準拠していないとワーニングが出たとのこと
- 図で使用しているイラストに透過データが含まれていた
- 印刷結果はおそらく問題なさそうとのことだが念の為なおすことに。該当イラストをラスタライズしワーニングを解消
- Cluster API のリリーススケジュールをちゃんと確認していなかった
- サークル内の締切日に新バージョンがリリースされ、執筆済みの内容とアーキテクチャレベルで違いが出てしまった
- 最新版で動作検証しなおし、本文・図表・サンプルコードを大急ぎでアップデート
- サークルのみなさまにはご心配・ご迷惑をおかけしました
- 今回最大の Problem
Try
- 図のクオリティにこだわりすぎない
- 本文のストーリーを完成させて、一旦形にしてからブラッシュアップ
- 出力された PDF のチェック
- 扱うソフトウェア/サービスのリリーススケジュールを把握しておく
- OSS の場合ソースは公開されているのでリリース予定の内容で検証・執筆もできるはず
- 「最新版に対応!」と告知的にもプラスポイントになりそう
- Re:VIEW 用の CI/CD 環境とかつくる?
- 今回は手でコマンド叩いていた。そこまで手間とは思わなかったけれど
- レビュー用の PDF をアップロードするのは面倒だった
その他
md2reviewでMarkdownからRe:Viewに変換するとき、コードブロックのcaptionにスペース入れるとうまく変換できなくてハマった。Redcarpet読んだら波括弧つけると良さげだったのでやってみたらうまく変換できた!https://t.co/rpyyFFU2M4 pic.twitter.com/DbL5IMHmgR
— yukirii@技術書典7 [お13C] (@yukirii_) August 30, 2019
告知
Keep
- サークル情報が出揃ったタイミングで Twitter にて告知した
- ブログを書いた
- どういう背景で本を書いたか、知ってもらう機会をつくった
- 当日のお品書き写真 Tweet が一番反応良かった
Problem
- 情報を出すタイミングが遅かった
- ひと目に付く可能性のある時間を自ら減らしてしまった
- 拡散力がない
- Like はしてもらえるがそこで止まってしまう
- 会社の方に協力いただき Retweet してもらった
- 告知回数少なかったのでは
- tweet 回数やタイミングを考えて拡散力の弱さをカバー?
Try
- Twitter Analytics の確認
- どんな Tweet が読まれているのかチェック
- 何がエンゲージメントにつながっている?
- 執筆中から細かく情報を出していく
- 検証中のハマりポイント話で興味を持ってもらえるかも
- もくもく執筆会など、事前のリアルイベントで他の方との交流を深める
会場での頒布
Keep
- 積極的に呼び込みをした
- ただ待ってるだけだと素通りされてしまう
- なんの本か説明すると少し立ち止まって聞いてくれている感じだった
- Cluster API に興味を持ってもらえた
- 「新しい技術との出会い」になったかな?
- KubeCon のTシャツで参戦した
- ひと目で Kubernetes とわかってもらうため
Problem
- 他の執筆者の本について紹介できない問題
- 同じサークルで別の会社の方が書いた本を頒布しており、当日中身をはじめて読んだ
- なので店番するとき、最初に1冊借りて少し読んだ
- 見本誌が足りない
- 見本誌と売り物がまざる
- 呼び込み内容にあまり興味を持ってもらえなかった
- 話した人の中には「Kubernetes 難しいから・・・」と言う方も
- これは予測できていなかった
- どんなに簡単な解説書をつくっても、その魅力をちゃんとつたえないといけない
- 話した人の中には「Kubernetes 難しいから・・・」と言う方も
- 視覚的な情報だとなんだかよくわからない
- 結構詳しめに説明をして買っていただいた、という印象
- 立ち読み場所用の見本誌が提出されていなかった
- 開始時間までになんとか提出
- どのくらいの効果があったのかはわからない
Try
- 見本誌は2,3冊用意する
- 見本誌には透明カバーをつけて、大きく目立つしるしをつけておく
- 売り子をするメンバーは本の内容を把握しておく
- ポスターを設置して、ひと目見ただけでテーマ・本の内容がわかるようにする
- 呼び込み内容を事前に考えておく
- どんな印象を持つか他の方からフィードバックもらっておくと良さそう
- イベント中もこまめに tweet
その他
- Cluster API さわったことある方とお話した
- AWS で試したけどうまく動かなかった、とのこと
- 「この本で本当に Cluster API はじめられますか!?」と言っていたのがすごく印象に残ってる
- 無事はじめられているといいな。。。
- 情報交換もしたいので質問などあればいつでもご連絡ください!
さいごに
初めての技術書典、初めての技術同人誌執筆でしたが、本当によい経験になったと思います。 「本を書くの楽しい!!」と思って熱中できたのが最高でした。 決して楽ではなかったと思いますが、それを遥かに上回る楽しさと学びの多さでした!
会場で手にとって頂いた方から直接フィードバックがもらえるのも他にはない経験でした。 普段こうしてブログを書いたり、仕事でWebサービスに関わっても、見てくれた方やユーザーさんと直接交流する機会ってほとんど無いので!
今後どうする?
また書きたいです! 好きなものを好きなように書けるのが本当に楽しかったです。
同人誌でやったら面白そうだなーというテーマもいくつかあるので、次回の技術書典にも挑戦してみたいです。 今回扱った Cluster API もより Deep な内容で書きたいですね。ソースコード解説とかやってみたら面白いかな??
ありがとうございました!
来場していただいた皆さん、ステキな技術との出会いを提供していただいたサークルの皆さん、そして技術書典運営のみなさん、素晴らしいイベントをありがとうございました!
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